このページでは、看護師として働くことに疲れた、辛くて辞めたいと考えている人に向けて、いくつかの対処法をご紹介します。
仕事に対するストレスは人によって様々だと思います。
そんな中で、身体を動かす、悩みを共有するなど、自分なりの対処法を見出すことができたら、少し楽になるかもしれません。
場合によっては、思い切って転職して、環境を変えることも一つの方法かもしれません。
現役看護師が、自身の体験も含めてご紹介します。
看護師のストレスの原因
ストレスとなる大きな理由は肉体的・精神的疲労、人間関係、責任の重さなどがあると思います。
肉体的・精神的疲労
看護師の仕事で、肉体的・精神的疲労は計り知れないと思います。
申し送りから始まり、清潔援助や排泄介助、検温、配薬、処置の数々、挙げたらきりがありません。一日中動きっぱなしです。
それに加えて、交代勤務もあります。体内リズムも狂いやすく、身体の疲れが取れにくい環境です。
精神的にも、医療スタッフ間や、患者様とのコミュニケーションなど、時に励みになることもあれば、トラブルもあり、ストレスとなることもあります。
人間関係
人間関係でも、実際に経験した病院の中で、何もなかったことはありません。
自身の関与に限らず、色々なものを見てきました。
看護師は、医師をはじめ、様々な職種と関わる仕事です。人間関係に問題を抱えたまま、仕事をすることがどれだけつらいことか。
分からないことの聞きにくい環境、申し送りの緊張感、業務上の連携の取りにくさなど、考えるだけでもストレスです。
責任の重さ
看護師は、医療従事者であり、患者様と密接にかかわる仕事です。
その分、与えられた仕事の責任の重さは計り知れません。
日々の業務の中で実施した計画が有用性のあるものだったか、評価・修正しながら関わっていきます。自分の看護がどのように影響したかを考えなくてはいけません。
時には、自身の知識・技術の未熟さから自己嫌悪に陥ることもしばしばです。
自分は必要ないのではないか、自分が患者様に悪い影響を与えてしまったのではないかなど、考え込んでしまい、精神的に辛い状況に陥ってしまいます。
ストレスの対処法
ここからは、ストレスの対処法について、いくつかご紹介させていただきます。
誰かに相談する
誰かに相談しても、たいして負担の軽減にはならないのでは?と感じる方もいるかと思います。
ですが、実際に家族や友人、上司や同僚に相談してみることで、自分の頭の中が整理されたり、共感を得られたり、時には解決策が見出せることもあります。
家族に相談しても、看護のことを理解してもらえない、同僚に相談して、周囲に広まるのが怖いといった不安を感じることもあります。
そんな時には、看護師のコミュニティーサイトを利用するのもおすすめです。
書き出すことによって、自身の感じていることを客観的に見ることができ、意外な解決策を見出すことができたり、他の人の投稿を見て共感することでも、同じような悩みを抱えている人がいるという安心感から、ストレスの軽減も図れます。
こちらの”看護roo!”では、看護師としての悩みだけでなく、様々なことが書かれています。知識の共有や、学習に利用するのもいいと思います。
旅行に行く
国内・国外問わず、旅行に出かけ、非日常生活に飛び込むことで、開放感から、仕事上の悩みやストレスを忘れる効果が期待できます。
一人旅でもよいですし、気の許せる仲間と行くのもよいと思います。ですが、気を遣う相手だと、かえってストレスとなってしまう可能性があるのでご注意ください。
山や海など自然を感じられるところや、様々な街並みが楽しめるところ、世界遺産などを通じて気分転換・リフレッシュしましょう。
また、様々なものに触れることによって、感動などの高揚感も得られ、ストレスの軽減につながるともいわれています。
“JAL”では、国内・国外色々なツアーパッケージがあり、お得に旅行が楽しめます。
添乗員同行ツアーもあるので、初めての海外でも安心して楽しめます。
身体を動かす
疲れている時に運動?そんな気分になれない。と思われる方もいるかもしれません。
ですが、運動不足になると身体が疲れやすくなったり、寝つきが悪くなったりしてしまい、かえってストレスが溜まりやすくなってしまいます。
動き始めるまでは、気分がのらないかもしれませんが、軽い気持ちで運動してみませんか?
身体を動かすことによって、気分転換になったり、なにか目標をもって取り組むことで、やりがいにつながったりもします。
実際に、運動をすることで、精神安定に関係する、脳内物質のセロトニンの分泌を促すといわれています。
自己研鑽に努める
自己研鑽に努めることで、キャリアアップにつなげたり、プライベートを充実させたりできます。
人間関係でストレスを抱えている方は、相手をライバル視して、知識・技術を学び、スキルアップして、ライバルに負けないといったモチベーションを持つことで、仕事に対しての意識が変わり、ストレス軽減につながるでしょう。
そのライバルよりも、知識・技術で優れていると感じた場面の爽快感をイメージして取り組んでみてください。
また、プライベートを充実させるためのプランとしては、英会話を学んだり、ひたすら読書をするのもよいと思います。
プライベートで海外旅行に行ったり、外国の方とのコミュニケーションをとったりすることで、世界が広がり、価値観の変化もあるかと思います。
特に、現在のグローバル社会には、外国の患者様も多いと思いますので、英会話を学ぶことは、仕事上でも役に立つかと思います。
読書をすることでも、知識の幅が広がり、物事を色々な角度からみる手助けをしてくれることと思います。
それでも解決しないときは・・・
人に相談することに抵抗がある方も多いかと思います。
精神科看護師の経験から、人に相談できる環境にある人の方が、実際にストレスが減っている印象があること、また、実際に職員を対象にした看護研究データもあります。
同僚には言いにくいことも、相談できる環境を整えることで、現状よりも働きやすくなるかもしれません。
転職を考えることもあるが、逃げるということになるのでは?と考えてしまうかもしれません。
たしかに、我慢して働くことも大切です。その先に、見えるものがあるかもしれません。しかし、それで自分の体を壊してしまっては、元も子もありません。
転職は決して逃げではありません。自分の才能を生かせる場所を、他で見出すことができる可能性があります。
終わりに
看護師として働くということは、人の命と向き合う責任感の強い仕事です。
そのため、一人一人がピリピリとした空気があり、人間関係もぎくしゃくしてしまうことがあります。
ここで挙げた方法で、試していただけることがあれば、試していただき、少しでも心身の負担軽減につなげていただくことができたら幸いです。